先日、こんな話を聞きました。
「私は、物を作ることが好きです。竹で編んだカゴを小学生の子供たちに放課後教えているのですが、ちょっと悲しいことがありました。それは、親が子供に『いつになったら竹カゴができるの?』と言っているのを聞いて、それは成果(結果)で、いま頑張っている子供の努力は評価しないのか?と。見るのとやるのはかなり違って、簡単そうに見えて実は難しいのが竹カゴ作りなんです。でも、そこを見ようとしないし知ろうとしない成果主義の親の言葉に、どれだけ子供の心は傷つくだろうか。努力が報われないとか、結果を出さないとだめとか、それがすべてじゃないと思うんです。」
そう言って、本当に残念そうに話されていて
私も心が痛いなと思いました。
こうして、結果だけを求められて育った子供は
今後どんな大人になるでしょうか?
すぐに結果を出さなければダメな人間
努力だけでは認められない人間
うまく作らなければ評価されない
これって、どう思われますか?
・・☆彡・・☆・・☆・・☆彡・・
「すぐに結果を出したい」
その心の奥にあるものは、何でしょうか?
それは「はやく人から認められたい」「認められることで自分に自信をつけたい」
早く早く・・と考える人の裏側に
承認欲求が満たされていないという理由があるように思います。
つまり、それは小さい頃に親から小さな努力や頑張ったことを
認められていないために
大人になっても「それじゃダメなんだ、結果を出さないと認められない、誰からも愛されない」という考えになるのです。
いまお子さんがいらっしゃる方
あるいは、生徒さんを抱えている先生たちは
どうか『プロセス(結果を出すまで)』も大事にしてください。
そして小さなことでも「頑張ってるね、いいね、すごいね、難しいのにあきらめてないね、どんどんうまくなってるね」などの、途中経過でほめるようにしてください。
うまくいかなくても、結果が出なくても
その途中でいろいろなことを学んでいます、経験しています。
人の何倍も時間がかかる人もいます。
それが今後の人生に大きな影響をもたらさなくてもいいんです。
点が線になることもあります。
不格好に出来上がった竹の作品を見た親が
「なにこれ?」
と冷ややかな視線と言葉を、子供に浴びせないでください。
結果がすべてではないことを教えてください。
これがどんどんエスカレートすると
トップにならなければダメ、
一番でいなければダメ、
表彰されないとダメ、と自分の評価が下がります。
その結果、自己肯定感が低くなるのです。
そうなると、
自分は何をやってもダメだ
認めてくれないからダメなんだ
評価してくれない周りが悪いんだ
そんな社会がだめなんだ
自分を認めない国が悪いんだ
といって誰かのせい、何かのせいにしたくなるものです。
なぜなら人は弱いからです。
デジタル化が進み、昔に比べて「すぐに」ということが大事のような
考え方になりました。
ですが、紫微斗数で見るその人の運気(チャンスの時期)が早まることはありません。
むしろ、寿命は延びているのです。
つまり、人が使える時間は伸びているのに
結果はすぐに出さないといけないなんて、おかしな話です。
成果主義という考え方の人は
結果を求めすぎて、「失敗したらどうしよう」と不安が強くなる傾向もあります。
まずは「失敗したら別の道に行けばいい、失敗したら違う方法をその時考えよう。まずはやってみてそこから工夫していけばいい。」と、気持ちのゆとりをもっていけるといいですね。